相続手続きはいつから始める?期限と優先順位をわかりやすく解説

家族が亡くなったあと、「相続の手続きはいつから始めればいいの?」「何を優先すればいいの?」と戸惑う方は少なくありません。
相続の手続きには、法律で期限が定められているものと、できるだけ早めに行うべき実務的な手続きの両方があります。

この記事では、相続手続きの時期と優先順位を「法定期限」と「実務上の目安」に分けて整理します。


目次

1.相続の手続きは「死亡日」から始まる

法律上、相続は「被相続人(亡くなった方)が亡くなった時点」で開始します(民法882条)。
ただし、葬儀や初七日などが終わるまでは、実際の手続きに着手できないのが一般的です。

そのため、葬儀後1〜2週間を目安に、必要書類の整理や調査を始めるとよいでしょう。


2.相続手続きの流れ(法律上の期限と実務的な目安)

内容法律上の期限実務上の目安主な窓口
健康保険・年金・世帯主変更届14日以内(法定)葬儀後1〜2週間市区町村役場・年金事務所
相続人調査・財産調査なし葬儀後2〜6週間各関係機関
相続放棄・限定承認相続開始を知った日から3か月以内葬儀後1〜2か月家庭裁判所
遺産分割協議・協議書作成なし葬儀後6か月以内相続人全員で協議
預貯金・有価証券・車の名義変更なし協議書作成後すぐ各金融機関・証券会社・運輸支局
相続税の申告・納付10か月以内(法定)半年前から準備開始税務署(税理士対応)
不動産の相続登記相続開始から3年以内(法定)協議完了後できるだけ早く法務局(司法書士対応)

💡 ポイント

法律で期限が決まっているのは「相続放棄」「相続税申告」「相続登記(義務化)」の3つです。
それ以外の金融機関・車・証券などは期限がありませんが、手続きが滞ると生活に支障が出ることもあります。


3.優先順位を整理しよう(3ステップで進める)

ステップ① 遺言書の有無を確認

まず確認すべきは遺言書の有無です。
見つかった場合は、家庭裁判所で「検認」手続きを行う必要があります(公正証書遺言を除く)。
遺言書があれば、その内容に沿って相続を進めます。


ステップ② 相続人と財産を確定

次に、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍などを取得し相続人を確定し、
銀行・不動産・保険・株式・車などの財産内容を調査します。


ステップ③ 遺産分割協議書を作成

相続人全員で話し合い、財産の分け方を決めます。
その結果を「遺産分割協議書」としてまとめ、全員の署名押印を行います。
この書類は、預金・証券・車・不動産など、名義変更の際に必要となる最重要書類です。


4.預貯金・有価証券・車・不動産の手続き

遺産分割協議書が完成したら、次は各種名義変更を行います。
これらは法定期限がありませんが、放置すると凍結や権利関係の複雑化を招くため、早めに進めましょう。


▷ 預貯金の相続手続き(銀行・信用金庫など)

銀行口座は、死亡が確認されると一時的に「凍結」されます。
相続人が手続きを行うには、以下の書類が最低限必要です:

  • 各銀行所定の相続届
  • 被相続人の出生~死亡までのすべての戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人の印鑑証明書
  • 遺言書(ある場合)

手続き完了後、相続人の口座へ払い戻しが行われます。


▷ 有価証券(株式・投資信託など)の相続手続き

証券会社により手続きは異なりますが、基本的には銀行と同様、
相続人代表者による届出+相続関係書類一式の提出が必要です。
上場株式は、基本的に「名義変更」となります。投資信託や国債は「換価」と「名義変更」を選択できたりもします。


▷ 自動車の名義変更

自動車も相続財産に含まれます。
相続による名義変更は、運輸支局で行います。

主な必要書類:

  • 車検証
  • 遺産分割協議書または遺言書
  • 被相続人の出生~死亡までのすべての戸籍謄本
  • 相続人の印鑑証明書
  • 委任状(代理で行う場合)

5.期限がある手続きに注意

相続放棄・限定承認

相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述(民法915条)。
判断に迷う場合は「期間の伸長」を申し立てることも可能です。

相続放棄・・・相続人であることをやめる手続き。故人の積極財産(金融資産や不動産など資産価値があるもの)および消極財産(債務       いわゆる借金)一切相続しないことを家庭裁判所に申し立てする。各相続人が単独で手続き可能。

限定承認・・・故人の積極財産を限度に消極財産も相続する。積極財産を超えた分の消極財産は支払い義務なし。相続人全員で家庭裁判所に申し立てをする必要があり、実務上はそこまで頻繁に行う手続きではない。

相続税の申告・納付

故人の財産総額が基礎控除額を超える場合に必要な手続きです。相続開始を知った日の翌日から10か月以内(相続税法27条)に申告と税金の納付を行います。
税額計算や申告は税理士の業務に該当します。

基礎控除額・・・3,000万円+相続人の人数×600万円が基礎控除額となり、故人の財産総額が基礎控除額を超えるかどうかで相続税申告が必要かどうかが決定します。

不動産の名義変更(相続登記)

2024年4月以降、相続開始から3年以内に登記が義務化されました。


6.まとめ:期限のある手続きから優先して進めよう

優先順位手続き法定期限実務上の目安
相続放棄・限定承認3か月以内葬儀後1〜2か月で判断
相続税の申告・納付10か月以内半年ごろまでに準備開始
預貯金・証券・車の名義変更なし協議書完成後できるだけ早く
不動産の相続登記3年以内(義務化)協議書完成後に実施

「どの手続きをいつまでに進めるべきか整理したい」
「書類の集め方が分からない」
そんなときは、専門家に相談することで、期限と優先順位を明確に整理し、スムーズに手続きを進めることができます。

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監修者

行政書士

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